僕も作ってみました!

最近ひょんなことから、『Uncyclopedia』を巡回するようになりまして、そこで、「君は牛を二頭持っている。」という前振りで始まるジョークを、幾つか読みました。自分でも作ってみました。

TPP に入っても日本の農業は大丈夫だという主張の根拠
君は牛を二頭持っている。
私は牛を一頭しか持っていないが、しかしその牛は、松阪牛である。

TPP に入りさえすれば日本経済がどんどん成長して行くという主張の根拠
君は牛を二頭持っている。
私は特許を二つ持っていて、そして彼は、息子を二人持っている。

なんだかあまり、巧く作れてませんね……。とはいえ、話を勝手に広げている感じがするのなら、それは僕が悪いんじゃなく、元々 TPP 推進論者達の主張の中に、そうした要素があるんじゃないかと思います。
まぁ全然笑えないのは僕のせいなんでしょうけど……。実は松阪牛も、特許も持っていない僕自身が、読んで下さった皆さん達よりももっともっと、笑えてないんですけどね……。
ところで、息子を二頭と書いて抹消線でも引いとこうかとも思ったんですが、万が一にも、それが僕の本音だと思われたら厭ですからね……。でも、TPP 推進論者達に皮肉を飛ばすのには、結構いい手だと思ったんですが……。
最後にオマケ……。

日本の現状についての(僕以外の!*)誰かの見解
君は牛を二頭持っている。
私も牛を二頭持っていて、彼も牛を二頭持っている。
私の牛が、一番草を食う。乳も出さない牡牛のクセして……。

失礼しました。

───

* では一体、誰の見解なんでしょうか? 例えば前々回、この Diary でも引用した、上野千鶴子氏あたりも案外……。
「ネット上での発言者には、性別や年齢を特定することができません。ネカマ(ネットオカマ)と呼ばれるネット上の性別転換者までいるぐらいですから、ハンドルネームだけではかれらが何者であるかはわかりません。ですが、電子フォーラムやチャットなどのヘビーユーザーの研究から、その人たちが、若年男性に集中していることがわかっています。投稿の時間帯の分析などからも、無職やフリーターが多そうなことも推測されます。」(上野千鶴子「女たちのサバイバル作戦──ネオリベ時代を生き抜くために 第八回 ネオリベバックラッシュナショナリズム」『文學界』2012年11月号、株式会社文藝春秋、258−259ページ.)
ネオリベ改革のせいで格差に苦しみ不遇をかこつ『ボクちゃん』(ネットのヘビーユーザーには三十代までの男性が多いことはこの時期にわかっていましたから)たちは、もともと右翼的な思想の持ち主でなくても、マイノリティへの冷笑から、ナショナリストたちと同盟を組みます。『敵の敵は味方』というわけです。」(同上、263ページ.)
まぁこのひとを例に引くのは、ちょっとアンフェアなのかもしれませんがね……。でもあまり、新しい本、買えませんし……。とにかくこのひとが、「ヘビーユーザー」や「若年男性」が大層お嫌いらしいってことは、上の引用からも明かなんじゃないでしょうか? たとえ乳が出なくても、食わなきゃ死んじゃうんですけどね……。
「第三に、かれらはネット強者です。それはこの人たちがネットのヘビーユーザーの層と重なるからかもしれません。ブログ、ツイッター、HPの活用などは、対抗勢力の側も学ばなければならないぐらいです。」(同上、266ページ.)
この「対抗勢力の側も……」ってところは、強烈ですよね? それにしても、少なくとも「かれらはネット強者で」はあるわけです。にも関わらず、「ネオリベ改革のせいで格差に苦しみ不遇をかこ」っていなければならないというのは、どうしてなんでしょうね?